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環境 | 疑問 No.04

東海大学周辺で感じる匂いの正体とは?!

「今日は匂うけど、昨日は匂わなかった」。東海大学周辺では、夜になると時折特徴的な匂いを感じることがある。しかし、その匂いは毎日するわけでなく、場所によって感じ方が異なる。そこで私は、地域で感じられる匂いと周辺環境との関係について調査を行った。

山田 玲菜(広報メディア学科 3年) |

💬 寄せられた疑問

「夜になるとたまに香る匂いの正体とは?」

— 投稿者:21歳大学生

調べた大学生

山田 玲菜(広報メディア学科 3年)

住んで3年目でも新しい発見が多く、地域をより知るきっかけになりました。

匂いを辿って

まず、東海大学周辺でどのような匂いが発生しているのかを確認するため、5月8日から約3週間にわたり現地を歩いた。調査は毎回20時から22時頃を中心に実施し、はま寿司前交差点を起点として周辺道路を歩き、匂いの有無や種類を記録した。

赤線は、今回の調査で実際に歩いたルートを示している
日付 天気 気温(平均) 湿度(平均) 風向 匂いの有無(強弱)・内容
5月8日(金) 曇一時晴 21.7℃ 75% SSE 弱い・下水のような匂い
9日(土) 晴時々曇 19.4℃ 53% SSE 調査時は匂いなし(23時頃は臭かったとの情報あり)
10日(日) 晴一時曇 18.7℃ 56% NW 匂いなし
11日(月) 晴 19.3℃ 72% SSE 匂いなし
12日(火) 晴 19.5℃ 69% SSE 匂いなし
13日(水) 晴後曇 19.8℃ 63% SSE 極弱い・牧場系の匂い
14日(木) 晴時々曇 20.6℃ 64% ENE 調査未実施
15日(金) 晴一時曇 18.5℃ 72% N 匂いなし
16日(土) 晴 19.5℃ 71% SSE 強い・牧場系の匂い
17日(日) 快晴 21.8℃ 62% NW 匂いなし
18日(月) 快晴 21.5℃ 68% SSE 匂いなし
19日(火) 晴時々薄曇 21.8℃ 70% SSE 調査未実施
20日(水) 晴後曇 23.0℃ 74% SSE 調査未実施
21日(木) 雨 19.6℃ 90% NE 弱い・牧場系の匂い
22日(金) 雨後曇 15.8℃ 82% NE 強い・牧場系の匂い(ヨークマート周辺)
23日(土) 曇後一時雨 15.6℃ 72% N 強い・牧場系の匂い(ヨークマート下)
24日(日) 曇一時雨 19.0℃ 75% N 匂いなし
25日(月) 晴一時薄曇 21.8℃ 71% SW 弱い・しらすのような匂い
26日(火) 薄曇時々晴 22.3℃ 72% NW 強い・下水のような匂い(調整池付近)
27日(水) 曇一時晴 23.0℃ 75% S 匂いなし

調査の結果、匂いは日によって有無や種類に違いが見られた。調査前は「夜になると匂いがする」という話を聞いていたので、毎日のように匂いを確認できると予想していた。しかし、実際には匂いを感じない日や、感じても弱い日が多く、期待していた結果が得られず悔しく感じた。

また、地域住民への聞き取りを行ったところ、「言われてみれば匂いを感じることはあるが、あまり気にならない」という意見や、「これまで意識したことがなかった」という意見が聞かれた。一方で、匂いを感じるという声もあり、人によって感じ方に違いが見られた。

このことから、匂いの感じ方には個人差があることが分かったが、そもそも匂いが発生しやすい日には何か共通点があるのだろうか。そこで次に、匂いと天候の関係について調べてみた。

天候で匂いは変わる?

ウェザーニュースによると、匂いの感じ方には湿度・温度・気流が関係しているという。湿度が高いと空気中に匂い成分が留まりやすくなり、より強く感じられる。また、温度が高くなると匂い成分が発揮しやすくなるため、匂いを感じやすくなる。さらに、曇りや雨の日は匂いが地上付近に留まりやすく、晴れの日は上昇気流によって拡散しやすいとされている。

今回の調査でも、匂いを確認した日の多くは湿度が70%を超えていた。しかし、湿度が高くても匂いを感じない日もあり、天候だけでは説明できないことも分かった。

今回の調査では、下水の匂い、牧場のような匂い、しらすのような匂いなど異なる種類の匂いが確認された。このことから、匂いの発生には天候だけでなく、周辺の環境も関係している可能性が考えられる。東海大学周辺には養豚場や調整池、水路など様々な環境が存在しており、それらが匂いと関係している可能性がある。

そこで次に、地域環境と匂いの関係について調べるべく、行政への取材を行った。

市役所の下水道整備課に聞いてみた

最初に平塚市下水道整備課を訪れ、調整池に関してお話を伺った。その調整池は真田津谷公園に隣接しており、「真田2号調整池」と呼ばれている。

調整池の役割
今回取材した「真田2号調整池」は、大雨の際に雨水を一時的に貯め、水害を防ぐための施設である。雨が止んだ後は、貯めた水を少しずつ下流へ流すことで急激な増水を防いでいる。

また、調整池では定期的な維持管理が行われている。雨水とともに流れ込んだ泥や草が堆積するため、草刈りや浚渫(しゅんせつ)と呼ばれる泥の除去作業を数年に一度実施している。

取材日(6月4日)には担当者の方から「ちょうど今日、業者さんに依頼して清掃をしてもらったので、見てみてください。」と案内を受けた。現地では実際に整備が進められており、定期的な維持管理が確認できた。

整備前(夜間調査時)
整備中の様子

なぜ調整池に水がたまっているのか
真田地区はかつて田んぼが広がっていた地域であり、現在も地下から湧水が出る場所があるという。そのため、調整池に常にたまっている水の多くは雨水ではなく湧水によるものである。

下水道整備課によると、「水の中に有機物が含まれている場合、条件によっては匂いが発生することもあります。だから、調整池だけが原因とは断定できません」とのことだった。

環境保全課の見解はいかに

調査中、匂いを感じた方向へ歩いていくと秦野市内の養豚場周辺までたどり着いた。そこで、匂いとの関係について養豚場への取材を試みたが、取材は実現できなかった。

匂いを感じた方向へ実際に歩いて確認した際の様子

秦野市役所環境産業部生活環境課へメールで問い合わせを行ったところ、臭気に関する行政の対応について回答をいただいた。同課によると、地域住民から臭気に関する申し立てがあった場合は、臭気が確認できる場合に現地調査を行い、原因の確認を行っているという。また、神奈川県と合同で事業所への立ち入り調査を実施し、公害対策などの状況も確認しているとのことだった。

臭気は気候の影響を大きく受けるため、原因の特定は申し立て時点の気象条件によって左右されるという。また、臭気に関する申し立ては年間を通して数件程度で、季節による大きな偏りはないとの回答だった。

3週間以上にわたる調査の結果

今回の調査では、匂いは天候だけでなく、水環境や周辺環境など複数の要因が重なって発生している可能性があることが分かった。また、同じ場所でも日によって匂いの強さが異なり、原因を一つに特定することの難しさも実感した。

当初は、現地調査なら自分で動く分、オリジナリティのある記事が書きやすいと思っていた。しかし、実際はそう簡単ではなく、思うように匂いがしない日や、取材がうまくいかないことも多かった。それでも何度も現地へ行ったり、別の方法で情報を集めたりしながら調査を進めたことで、現地調査は思っていた以上に難しいものだと感じた。

番外編 調査を通して見つけた東海大学周辺の魅力!

東海大学周辺を実際に歩いてみて、匂い以外にも新たな発見がいくつかあった。ここでは、調査の中で見つけた東海大学周辺の魅力を紹介していく。

地図中のピンの色は下記で紹介するスポットと対応している

❤️ 大根公園・大根川
春には桜を見ることができる。また、夜にはウシガエルの鳴き声を聞くことができ、自然の豊かさを感じられる場所であった。

💛 住宅街で感じた匂い
調査中、特定の住宅街で夕方になると夕食の匂いを感じることがあった。今回の調査を通して、匂いには人々の暮らしを感じさせるものもあることに気付かされた。

🩷 真田谷津公園
真田谷津公園は夜間も街灯が点灯しており、比較的明るい環境となっている。夜散歩をする際に休憩がてら立ち寄るのもおすすめ。

💙 ニューカトマンズキッチン
店舗の前を通るたびにカレーの香りを感じた。おいしそうな匂いが印象的だった。

取材協力・参考文献

平塚市下水道整備課
秦野市役所環境産業部生活環境課

・平塚駅前の気象統計(最終アクセス2026.7.4)
・ウェザーニュース「これからの時期は特に感じる⁉ニオイと天候の関係」(最終アクセス2026.7.4)