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暮らし | 疑問 No.12

暑がりさん必見!夏の快適な過ごし方

私(20歳)「ねえねえ、最近なんか疑問に思ったことってなぁい?」
母(52歳)「えー、どうして?」
私「大学のゼミで、身近な人の疑問に答える記事を書かなきゃいけなくて」
母「そんなことよりもさ、5月なのにこの暑さで夏耐えきれなかったらどうしよう」

こんなとある日の車の中での会話からスタートした私の記事では、年々暑くなっている夏の現状とともに、これから訪れる猛暑を乗り越えるための「快適な過ごし方」を提案していく。

大城 美南(広報メディア学科 3年) |

💬 寄せられた疑問

「これから暑くなる夏、どうしたら乗り越えられる?」

— 投稿者:50代母

調べた大学生

大城 美南(広報メディア学科 3年)

夏をどう過ごしたらいいか分からない人にぜひ読んでほしいです。

母が20歳だったときと比べてどれだけ暑くなっているの?

母は以前、「あたしが20歳の時(1993年)も暑かったけど今ほどではなかったなぁ。ノースリーブのお洋服を着てたけどその時は暑く感じなかったもんな」と当時の暑さについて話していた。

しかし近年は、「地球温暖化」が進んでいることが社会的に問題視されており、私の地元である静岡県は、全国的に見ても最高気温が非常に高い。また都市部では、「ヒートアイランド現象」というワードをよく耳にする。そのため、それらの影響がどのように気温の変化に表れているのかを確かめるべく、母の暮らす静岡県と都心である東京都の2都県について、当時と現在の平均気温・最高気温の変化をまとめてみた。

1993年と2025年の夏(7・8月)の平均気温の変化(気象庁データ)

地域\年数 1993年 2025年
静岡県 24.35℃ 28.8℃
東京都 23.65℃ 29℃

最高気温の変化(気象庁データ)

地域\年数 1993年 2025年
静岡県 35.7℃ 41.4℃
東京都 32.9℃ 38.5℃

およそ30年間で、平均気温は4℃以上・最高気温は6℃近く、両都道府県ともに上昇していることが分かる。また、静岡県は最高気温41.4℃という驚異の暑さとなっている。

このような異常な暑さは、単に暑いだけでなく熱中症の危険を高め、命の危険にも影響を及ぼす可能性がある。そこで、快適な過ごし方を提案していく前に、今後さらに深刻化していく「熱中症」について詳しく説明していく。

熱中症は暑さが原因でなるの?

熱中症予防声かけプロジェクト事務局の中野慎也(なかのしんや)さんに、熱中症のリスクやその対策について伺った。

熱中症予防声かけプロジェクト事務局の中野慎也さん

〇熱中症のリスクが高まる4つの条件

「気温が高い場所っていうのはもちろんなんですけども、それ以外に4つ。あえて言いますと①湿度が高い、②風が弱い、③日差し・照り返しが強い、④熱がこもる。こういった条件が一つプラス重なるっていうことも多々あると思うんですけど、重なれば重なるほど、熱中症になりやすい環境だと言えるんじゃないかな」

また、この条件についてこう付け加える。「これは屋外だけではなくて、やっぱり屋内というのも当然熱中症になる可能性は考えられまして、熱中症の搬送者数が昨年10万人超えている中の38%は室内なんです。38,000人は少なくとも家の中から救急搬送されて熱中症になっているという状況です」(※総務省消防庁データ参照)

正直なところ「まだ若いし、水分も摂れてるし、別に暑い屋外に長時間いるわけでもないから私がなることなんてないだろう」。そう思っていた私だが、室内で発生した熱中症についてお話を伺ったことで、現実は甘くなく、「今の時代誰でもどこにいても熱中症になりうるんだ」と再認識した。

熱中症を回避するにはどうしたらいい?

中野さん曰く、上記の外的要因だけでなく、熱中症は自身の体調に依存するので、規則正しい生活をすることが一番の熱中症予防になるそうだ。

「当たり前なんですけど、暑さを避けて涼しい環境に移動する、休憩をする、塩分を適切に摂る、そして一番大事なのが食事と睡眠を体調を整えるためにもしっかり行う。熱中症になられた方のヒアリングをすると、やっぱりちょっと夜更かししていたとかご飯を食べていないとか、そういうことが多かったりする。それと、急に暑くなった時に体が対応できていない状況、要は汗がかけなくて体の中に熱が閉じこもってしまう状況が一番なりやすい。だから体が対応できるように、走ることや、お風呂で汗をかくなど事前に準備をしておくことが特に最近注目されている」とおっしゃっていた。つまり、純粋に、健康に対して気を付けた生活を送ることが予防につながるのである。

私がたまたま購入したお菓子に付いていた実際のロゴ

また、商品を買う上で一つ意識するといいのが、熱中症予防声かけプロジェクトのロゴだ。同プロジェクトに賛同する企業が大切な商品のスペースを使って付けているもので、官民一体で熱中症の啓発活動をしてくれている。「そのロゴを活用していただくことで、熱中症予防プロジェクトを応援している、熱中症の予防になるよという声かけにつながる。そんな役割になっていますね」と教えてくれた。

さらには、昨今、行政や自治体、企業さんも「暑くなったらうちの店舗を使ってください」と、のぼりやチラシ、ポスターなどで呼びかけを行っているようである。そんな「クーリングスポット」が、私たちのお出かけ時の救世主になるかもしれない。

「ひと涼み祭り in 東京タワー」の様子

暑さから逃れるために今日からできること

暑さから逃れるための便利アイテムが近年増えていて、普段車に乗る機会が多い母にとっての必需品は、サングラス・アームカバー・車用の日傘の3つある。

母の車に常備されているサングラス・アームカバー・車用日傘
折りたたみ式の車用日傘

車内での対策はバッチリな母も、室内での対策はまだまだであるため、静岡県沼津市の家電量販店で働いている20代女性の方に、今日からできる暑さ対策について伺った。

「私が実際にお家で行っているのは、エアコンとサーキュレーターのダブル使いですね。エアコンは真正面にしか冷たい空気が来ないから、それだけでは冷たい空気が部屋全体に行きわたるまでに時間がかかってしまうんです。だから、サーキュレーターを首振りモードにして、エアコンに向けることで、空気を循環させています。そうすることで、効率よく室温を下げられるし省エネにもつながるのですごく良いんです。あと、梅雨の時期は、部屋干ししなきゃいけなかったりするから、エアコンの除湿機能を使って湿度を低くしていますね」

私のお家にはもともとエアコンしかなかったため、代わりに祖父のお家で、アドバイス通りに部屋を涼しくしてみた。検証の結果、正直なところ今回の短時間での試みではそれほど急激な涼しさは得られなかった。しかし、心なしかいつもよりエアコンの効きが良くなったように感じた。

アドバイス通りエアコンとサーキュレーターを併用してみた祖父の家の一室

ファッションから涼しさを得よう

私と母はよくショッピングをするのだが、私が気になった洋服を見つけて、母に「これどう?」と聞くと、ほぼ必ず「みーちゃん、それじゃあ暑くて着れないよ」と指摘をされる。どうやら母は、洋服選びの際に「涼しく感じられる素材か」を重視しているらしい。

そこで、実際に母が涼しさを感じたという洋服の表示を確認してみたところ、大抵「綿100%」「綿・ポリエステル」の素材で作られていたことが分かった。しかし、私は「綿」が涼しいというイメージがなかったため、本当に母の言う素材が涼しさの理由なのかが気になり、母がよく行くお店の方に話を聞いてみた。

母が涼しいと感じる「綿」素材は、本当に涼しいのか

今回答えてくれたのは、静岡県清水町にある洋服屋さん「TRIPLEHIP(トリプルヒップ)」の店長、通称MAIKOちゃん。MAIKOちゃんは、私の「『綿=涼しい』っていうのは正しいですか?」という質問に対して、こう答えてくれた。

「ん〜、『綿=涼しい』と一概には言えなくって。綿にも色んな種類があって、高くていいものならやっぱ涼しく感じるかもしれないけど、綿だから涼しいというのは違うかな。ただ、肌荒れ、肌が弱い人なんかは綿しか着れないね。肌のことを考えて、綿を選ぶ人はいるかな」

ずばり、涼しさを感じる素材とは

彼女によると、涼しさを感じやすい素材は「麻」である。「昔から麻は通気性が良くて、透け感もあって涼しいって言われてるね。やっぱ天然素材って言って、葉っぱから実ができる植物だから涼しいの。ただ、難点はシワになりやすくて、人によってはチクチクして肌触りが嫌って人もいるかも。あとは麻とはまた違うんだけど、麻調って生地があって。麻調は、麻みたいに透け感とかがありながら、肌触りもいいってやつがあるよ。でもやっぱり涼しいのは麻だね」

左:麻 右:麻調

逆にあまり涼しくない素材も教えていただいたところ、「化繊(化学繊維)の素材は、人工的に作られている素材だから暑く感じちゃう」とおっしゃっていた。私は、実際に麻と麻調のどちらとも試着をさせていただき、両方とも透け感を感じることができた。私にとっては麻調のほうが着心地が良く、涼しく感じた。

他にも、接触冷感という機能が備わっているものもあるそうで、そちらも試着させていただいたところ、涼しいというよりも、肌が触れることで「ひんやり冷たい」という感覚になった。

接触冷感のタグ①
接触冷感のタグ②
接触冷感素材の服を実際に試着してみた

MAIKOちゃん曰く、「体感が涼しいのも大事だけど、見た目の涼しさも重要になってくる」そうだ。見た目で涼しさを感じるには、「色」が重要になるらしく、「仕入れのときにも白のお洋服は多めに発注する」とのことだ。また、「白は黄ばみやすくて毎年買い替える人も多いから」とも教えてくれた。一方で、黒は重く感じやすかったり、グレーも汗染みがきになるから選ばないとのことだ。

また、お話を伺うなかで印象に残ったのが、「キラキラの装飾がついたものなんかは結構人気だね」とのお話だ。確かに夏はなんとなくキラキラしたものを身に着けることが多いと自分のなかで感じていて、そういったものを着ることで、涼しさを感じられたり、爽やかさも感じられるような気がした。また、それなら黒であっても重たく感じさせずに着ることができる。

他にも、冷房対策で羽織が欲しいときは、透け感のあるものを選ぶことで、暑苦しそうに感じさせずに、寒さ対策ができるとのことである。今回の取材を通して、素材にこだわることや見た目への気配りで、より夏のファッションを楽しむことができるのではないかと感じた。

便利グッズに頼ってみたり、日常生活のどこか一つに工夫を加えてみたりすることで、暑くて暮らしづらい夏のイメージを変え、よりよい夏を送りたい。

取材協力・参考文献

中野慎也さん(熱中症予防声かけプロジェクト事務局)
家電量販店店員さん(静岡県沼津市)
MAIKOさん(洋服屋「TRIPLEHIP」店長)